戸建てのリフォームをしたいと考えたときに、「できれば予算500万円以内で収めたい!」
とお考えの方は多くいらっしゃると思います。家を全面リフォーム・リノベーションしたいとなるとそこそこの出費は覚悟しなければいけませんが、できるだけ安く、希望通りの仕上がりにしたいところですよね。そこで本記事では、「予算500万円以内」で一戸建て・マンションをどこまでリフォームできるのか、水回り・内装・外装の工事にかかる費用相場や、どこを直せばいいか分からないという方へ、戸建てとマンション、リフォームする箇所別にご紹介します。
理想を現実化できそうか、どこまでの範囲をリフォームできそうなのか、
ぜひ参考にしてみてください。
【予算500万円でどこまでリフォームできる?】
戸建て住宅やマンションの物件、また築年数が30年、40年…
とかなり経っていて大幅なリフォームが必要な場合、予算500万円でどこまでリフォームが可能なのか、以下で詳しく解説します。
■マンションの場合
マンションのリフォームを予算500万円以内で行う場合、部分的なリフォームが可能です。たとえば、キッチンやお風呂の交換をしたり、床や壁紙を張り替えたりすることが可能です。また、壁を撤去して、開放的な空間を作ることもできます。部屋の広さによって異なりますが、予算500万円以内でお家全体をリフォームすることも可能です。
■戸建て住宅の場合
戸建住宅の場合も、マンションと同様に、部分的なリフォームなら予算500万円以内で十分実施できます。キッチンレイアウトの変更などの小規模な間取り変更をすることも可能です。
外壁の塗り替えや屋根の修繕をはじめとした、外構工事も行えますが、内装のリフォームと組み合わせると、予算500万円以内に抑えるのは難しい場合もあります。耐震補強などの住宅性能を向上させる工事や、大規模な間取り変更を含む場合も、予算500万円を大幅にオーバーする可能性が高いです。
■築30年以上の物件の場合
築30年以上の物件をリフォームする場合、内装だけではなく屋根や外壁などの外装にも手を加えたり、耐震性や断熱性の改善が必要な可能性があります。個人では修繕しなければならない箇所の判断が難しいため、リフォームを開始する前にリフォーム会社に物件の確認や住宅診断を行ってもらい、優先的に修繕すべき箇所を確認してもらいましょう。
リフォーム会社の調査の結果、多くの箇所を修繕する必要がある場合、500万円以内でリフォームするのは難しいかもしれません。その場合はリフォーム会社に相談しながら、なるべく費用を抑えられる方法を提案してもらうと良いでしょう。
また、40年以上前に建築した建物は、旧耐震基準で設計されている可能性が高いです。新耐震基準を満たすための耐震工事は規模が大きくなりやすいので、500万円でもできない場合もあります。
【施工箇所別|リフォームの費用相場はいくらくらいかかる?】
以下では、水回り・内装・外装など、
施工箇所別にリフォームの費用相場をご紹介します。
■壁や床などの内装
壁や床といった内装のリフォームにかかる費用の相場は以下のとおりです。
・壁紙の張り替え:700~1,400円/㎡
・床の張り替え:4万円前後/畳
・壁の解体:1箇所6~20万円
・壁の増設:10~33万円
・室内ドアの交換:4~10万円
・室内ドアの新設:25万円前後
■外壁や屋根、エクステリアなどの外装
外壁や屋根といった外装のリフォームにかかる目安価格帯と中心価格帯は以下のとおりです。
・外壁塗装・外構工事:目安価格帯 60~150万円/中心価格帯 90~120万円
・屋根:目安価格帯 ~100万円/中心価格帯 50~100万円
・外構工事・エクステリア:目安価格帯 ~90万円/中心価格帯 60~90万円
・駐車場・ガレージ:目安価格帯 ~100万円/中心価格帯 50~100万円
業者にもよりますが、外壁及び屋根のリフォームには大幅に金額がかかります。
そのため予算が500万円とすると、半分以上の費用がかかることを覚悟する必要があります。
■水まわり(戸建て)
続いて、戸建て住宅の水まわりのリフォームにかかる目安価格帯と中心価格帯は以下のとおりです。
・キッチン:目安価格帯 ~150万円/中心価格帯 100~150万円
・浴室:目安価格帯 80~140万円/中心価格帯 100~120万円
・トイレ:目安価格帯 10~40万円/中心価格帯 30~40万円
・洗面所:目安価格帯 10~30万円/中心価格帯 20~30万円
■水まわり(マンション)
マンションの水まわりリノベーションの目安価格帯と中心価格帯は以下のとおりです。
・キッチン:目安価格帯 30~120万円/中心価格帯 60~90万円
・浴室:目安価格帯 60~100万円/中心価格帯 80~100万円
・トイレ:目安価格帯 20~40万円/中心価格帯 30~40万円
・洗面所:目安価格帯 10~40万円/中心価格帯 20~30万円
■その他
和室から洋室への変更、耐震補強などにかかるリフォームの費用相場は以下のとおりです。
・和室から洋室へ:50万円前後
・耐震補強:100~150万円前後
・断熱工事:45~100万円
なお、築30年以上の住宅の耐震補強工事を行う場合、200万円以上かかることもありますので要注意です。
【予算500万円でリフォームできる範囲とできない範囲】
予算500万円以内でできるリフォームと、予算500万円ではできないリフォームの範囲を分かりやすくまとめました。
■予算500万円前後でできるリフォーム
・水まわりの全入替え(単体費用200万円前後)(合計費用200万円前後)
・+クロス張替え(単体費用80万円前後)(合計費用280万円前後)
・+フローリング張替え (単体費用90万円前後)(合計費用370万円前後)
・+キッチンの移動(単体費用30万円前後)(合計費用400万円前後)
・+和室から洋室へ(単体費用55万円前後)(合計費用455万円前後)
・+屋根・外壁塗装(単体費用100万円前後) (合計費用555万円前後)
※1 ユニットバス、キッチン、洗面台、トイレ、給湯器でミドルグレードのものに入替えた前提です
※2 4LDK(90㎡)で、クロス、床は普及品で一般的なビニールクロス、フローリングの前提です
※3 独立型の壁付きキッチンをオープンスタイルの対面キッチンにするリフォームの前提です
※4 6畳の和室で畳からフローリング、押入れからクローゼット、襖から引き戸へのリフォーム前提です
■予算500万円前後でできないリフォーム
・耐震リフォーム(合計費用1000万円前後)
・断熱リフォーム(合計費用1000万円前後)
・配管更新(合計費用1000万円前後)
・大掛かりな間取り変更(合計費用1000万円前後)
※単体工事は難しく、水まわり設備交換、クロス・床張替えを伴った場合です
お家の大きさにもよりますが、水まわりの設備の総入れ替えやクロス・床の張り替えなど、家全体の見栄えを良くするリフォームなら予算500万円以内で可能です。また、間仕切り壁の撤去やキッチンの移動など、簡単な間取り変更も500万円以内でできます。上記に加えて屋根や外壁の塗装まで行うと、予算の500万円をやや超えてくる場合があります。
一方で、壁や床を全面的に解体して行う耐震補強や断熱対策、配管更新、大幅な間取り変更は、予算500万円では対応が難しくなります。家本来の機能を改善するリフォームや、現在の家族構成やライフスタイルに合わせて住まいを作り替えるリフォームは、予算も大幅に高くなり、約1000万円ほどかかると考えてください。
【予算500万円でリフォームするメリットは?】
リフォーム工事がはじまると、家族以外の業者が出入りするので、なんとなくストレスを感じる方もいるかと思います。
そのため、100万円の工事を5回依頼するよりも一気に500万円のリフォームをしたほうがストレスフリーですし、効率よく、ある程度の工事をまとめられるので大きな利点といえます。同じ業者が一気に作業をするので、仕上がりも断然綺麗です。
また、業者によっては水回りリフォームをまとめたプランを安く提供している場合もあります。うまく活用することで、費用相場より安く行うことが可能です。思いついたときに少しずつ手を掛けていくのも楽しいですが、ある程度の費用を準備できてからだと、より満足のいくリフォームになるのではないでしょうか。
【戸建て住宅リフォームと買い替えどっちがお得?】
ここまで予算500万円でリフォームする場合の金額比較やメリットなどお伝えしてきました。
しかし、戸建て住宅をお持ちの方で「一軒家をまるごとリフォームしたい」「室内の一部を新しくしたい」など、予算500万円では収まらない範囲のリフォームを検討している場合、いっそのこと丸ごと買い替えた方がよいのではないかと悩んでしまう方もいるかと思います。ここでは、「結局リフォームと買い替えならどっちがお得なのか」について、分かりやすく解説していきます。
■室内の部分的なリフォーム→最低約200万円
原状回復を目的とした室内の部分的なリフォームを行う場合は、約200万円~500万円が費用相場となっています。主にキッチンや浴室などの水回り、壁紙や畳・フローリングといった床の張替えを行う場合が、部分的なリフォームを行なう目的とされています。戸建て住宅のリフォームであっても修繕するのは部分的なので、お家全体のリフォームに比べると安い費用で行なうことが可能です。劣化によって傷んだところだけを綺麗にしたいという方は、室内の部分的なリフォームがおすすめです。
■建物自体を作り直すリフォーム→最低約1,000万円
築年数が長く、建物自体を作り直すリフォームをする場合は、最低でも1,000万円が費用相場といわれています。一軒家といっても2階建てや3階建ての住宅もあるため、リフォームをする範囲や敷地面積が広くなれば、当然ですが相場よりも高い費用が必用になります。
室内の部分的なリフォームとは費用に大きな差があるため、きちんとした計画を立ててから専門業者に依頼すると良いでしょう。または、リフォームを検討していることを伝えて、どれくらいの費用でリフォームできるのかを確認し、一度しっかり相談してみるのもよいでしょう。
【まとめ】
いかがだったでしょうか。この記事では、『予算500万円でどこまでリフォームできるのか』について解説しました。
「予算500万円」あればいろいろな場所をリフォームできそうに思えますが、築年数の古い物件などの耐震や断熱のリフォームまでは難しい場合が多いです。そのため、耐震性や断熱性に問題のある物件では、たとえ500万円でも十分な額とは言えません
満足なリフォームをするために、まずはリフォームを検討している物件の状態を見定め、リフォームの予算を把握しましょう。
今回紹介した施工事例をぜひ参考にしていただき、費用を抑えつつ、予算内でおしゃれな住宅に仕上げてください。